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赤ちゃんの離乳食が原因!食物アレルギー反応と症状を徹底解説!

      2016/11/23

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離乳食につきものなのが、「食物アレルギー」です。食物アレルギーとは具体的に何?どんなことに気を付けるの?など、具体的な疑問をこの記事を読むことで解消出来ればと思い、まとめてみました。離乳食を始める際にぜひ目を通していただければと思います。

 

 

 

赤ちゃんの食物アレルギーとは?

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そもそもアレルギーとは、体外から体内に入ってきた物に対して体が異物として過剰反応することです。その反応の仕方はアレルギー原因となる物を摂取した量や、個人により様々です。食物アレルギーは、「食べ物」が原因となり様々な症状を引き起こします。1歳未満の子の場合、多くが「アトピー性皮膚炎」に合併して発症します。

 


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食物アレルギーの症状

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食物アレルギーの症状は1つだけではありません。個人によっても異なるため、食物アレルギーの症状を1つでも多く確認しておきましょう。

 

皮膚症状

・赤み

・痒み

・じんましん

・湿疹

※離乳食を食べ始めた赤ちゃんに最も多いのが、4番目の「湿疹」です。

 

粘膜症状

目症状

・目の充血、腫れ

・痒み

・流涙

・まぶたの腫れ

 

鼻症状

・くしゃみ

・鼻水

・鼻づまり

 

口腔咽頭症状

・口、唇、舌の違和感、腫れ

・喉の痒み

・イガイガ感

 

消化器症状

・腹痛

・嘔吐

・下痢

・血便

・悪心(おしん)

 

呼吸器

・せき

・声がれ

・ぜん鳴

・呼吸困難

・喉が締めつけられる感覚

 

全身性症状

・アナフィラキシー

引用:食物アレルギーの栄養指導の手引き2011

 

上記でも書きましたが、離乳食を食べ始めた赤ちゃんに多いアレルギー症状は、皮膚の湿疹です。こうした症状が見られた場合は速やかに受診をしましょう。基本的には、食べ物を食べると直ぐにアレルギー反応が出ますが、まれに時間が経ってから湿疹、赤みなどのアレルギー反応が出る場合もあります。時間があくと直ぐにはアレルギー反応と診断がつきづらくなります。

 

 

 

 

食物アレルギーの疑いが出たら・・・

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離乳食を与えた後などに、湿疹などの症状が出て食物アレルギーが疑われる場合は、速やかに受診をしましょう。

 

食物アレルギー 診断の流れ

問診

まず最初に「問診」が行われます。問診では、「日頃の食生活について」、「母乳栄養かミルク栄養かについて」、「その日の離乳食の内容について」、「家族に食物アレルギーの者はいないかについて」など、詳しく聞かれます。そのため、日頃から離乳食の内容をメモしておくと、とても助かります。メモを取る癖をつけておきましょう。

 

血液検査、皮膚テスト

問診により食物アレルギーの可能性が出た場合、具体的な検査に移ります。多くの場合、「血液検査」や「皮膚テスト」が行われます。皮膚テストとは、アレルギーの原因となる物質を皮膚に垂らして反応を診る検査のことです。

 

食物除去試験

血液検査や皮膚テストの結果が出ても、直ぐに食物アレルギーと診断されるわけではありません。検査結果で疑わしい原因食物が見つかった場合、まずはその特定の食物を1~2週間食べるのを止め(除去)、症状が改善されるかを診ます。

 

食物負荷試験

上記の「食物除去試験」により食物アレルギーの症状が改善された場合、次に医師の管理の下で原因だと思われる食べ物を赤ちゃんに食べさせます。これを「食物負荷試験」と呼びます。これにより、アレルギーの原因となる物質を確定診断します。

 

 

 

 

食物除去について

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アレルギーの原因となる物質が判明した後は、「食物除去」を行います。この「食物除去」は、必要最低限に止めて行われます。原因となる食材を自己判断で除去することは止めましょう。栄養バランスが崩れてしまう恐れもあるため、赤ちゃんの成長を妨げる可能性があります。そのため、「食物除去」を行う場合は医師や栄養士などに必ず相談をし、代用できる食材を上手く取り入れるなど、工夫をしましょう。

 

食物除去の解除

「食物除去」を解除する場合も、医師の管理の下で行います。試験を行う場合は、医師の管理の下で除去していた食物を少量ずつ食べさせて症状が出るかどうかの確認を行い、判断します。これを「食物経口負荷試験」と呼びます。食べてから1日以内に症状が出なければ、その試験で食べた量までが解除出来ます。お家では、赤ちゃんの体調が良い時に「食物経口負荷試験」で解除になった量を守って少量ずつ食べさせてあげましょう。

 

アレルギー症状が出る前の自己判断除去はしない

食物アレルギーは、実際に食物を食べて見なければアレルギー症状が出るかどうか分かりません。アレルギーについては、不安が大きいものです。ですが、アレルギーの原因となる食べ物(卵など)を自己判断で除去しないようにしましょう。

 

 

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食物アレルギーが多い食材

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赤ちゃんの乳児期に食物アレルギーを起こしやすいと言われている食材は以下の通りです。

1位  卵

2位  牛乳

3位  小麦

成長するにつれて、消化器官も発達するため、食物アレルギーを引き起こしやすい食材は変わっていきます。上記の3つの食材は、3歳頃まで食物アレルギーの上位を占めています。卵、牛乳、小麦は、3歳頃までに症状が出なければその後は食物アレルギーの心配はほとんどありません。耐性も出来るので、この3つの食材の7歳以降の新規の食物アレルギーによる反応はぐっと減っています。

 

成長年齢別の食物アレルギー原因食材

0歳~3歳

1位  卵

2位  牛乳

3位  小麦

 

4歳~6歳

1位  卵

2位  牛乳

3位  ピーナッツ

 

7歳~19歳

1位  卵

2位  牛乳

3位  甲殻類

 

20歳以上

1位  小麦

2位  甲殻類

3位  魚類

引用:厚生労働科学研究班 食物アレルギーの診療の手引き2014

 

 

 

 

食物アレルギーの原因となりやすい食品

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大人が何気なく食べている食品の中にも、アレルギー症状を引き起こす食品が多くあります。予めアレルギー症状を引き起こしやすい食品を知り、与える際は慎重に進めましょう。

 

野菜

・やまいも

・とうもろこし

 

肉、魚

・豚肉

・牛肉

・鶏肉

・イクラ

・サバ

・タラ

・サケ

・エビ

・カニ

・イカ

 

果物

・キウイ

・もも

・りんご

・バナナ

・オレンジ

・メロン

・すいか

 

その他

・ゼラチン

・大豆

・ごま

・落花生

これらの食品は「食品表示法」により、使われている食品の表示が義務付けられていたり、表示が推奨されています。使用する調味料などにも、ごく少量が含まれている場合や同じ製造ラインで作られている場合もありますので、表示はきちんと確認をする癖をつけましょう。

 

 

 

ママが食べた物が原因に?!

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母乳を与えているママは、ごく稀にママが食べた物が母乳から赤ちゃんの体内に入り、アレルギー症状を引き起こすことがあります。母乳を与えてから1~3時間の内に、赤ちゃんの身体に湿疹が出た場合は注意が必要です。ママの体に入ってから母乳を通して赤ちゃんの体に行くので、アレルギー原因となる物質は少量ですが、痒みが強い場合や長引く時は小児科を受診しましょう。赤ちゃんの体に出来た湿疹が食物アレルギーであった場合、ママもその原因の食べ物を除去しなければなりません。こちらも医師の指導の下で除去を行いましょう。

 

 

 

 

初めて与える食材は慎重に

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赤ちゃんにこれまで食べさせたことのない食べ物を与える時は、特に慎重に進めて行きましょう。初めての食材を与える際に、4つの点に注意を払えば、もしも食物アレルギーの症状が出た場合でも直ぐに気付き、早めの受診に繋がります。

 

1、初めての食材は1種類に限定

これまで食べたことのない食べ物を与える際、1種類に限定して与えましょう。2種類や3種類を同時に与えると、どの食材が原因となりアレルギー症状を引き起こしたのか、特定が難しくなります。そのため、1日1種類に限定して与えましょう。与えた食べ物のメモも忘れずに残しておきましょう。

 

2、初めての食材は小さじ1杯

小さじ1杯の少量でも、アレルギー症状は出ます。そのため、初めての食材を1度に多く与えてしまうと、その分症状も大きくなってしまいます。初めての食材の与える量は小さじ1杯を超えないように注意しましょう。

 

3、初めての食材は午前中に与える

初めての食材を与えた後に万が一アレルギー症状が出てしまっても、午前中であれば小児科の診療時間内ですので、直ぐに受診をすることが出来ます。日曜日や祝日は休診のため、初めての食材は避けるなど工夫をするとより安心できます。かかりつけの小児科の診察券を確認して、診療日に合わせて与えるのが良いでしょう。

 

4、初めての食材を与えた後は様子を見る

初めての食材を与えても、直ぐにはアレルギー反応が出ない場合もあります。そのため、食事の後は体の状態をチェックしたり、うんちの状態をチェックしたり、赤ちゃんの機嫌を見てあげるなど、しっかりと様子を見守りましょう。初めての食材を与えた後は、約2時間は様子に注意しましょう。

 

 

 

まとめ

卵やエビ、カニなど、重篤なアレルギーの症状を引き起こす原因となる食べ物は、月齢が進んだ後に離乳食に取り入れるように決められています。離乳食を開始したばかりの赤ちゃんは、まだ体の発達が未熟で消化吸収機能も発達途中です。そのため、アレルギーを引き起こしやすい食材よりも先に野菜を中心に離乳食を進めて行くと良いですね。

 

アレルギー症状が現れるかどうかは、食べてみないと分かりません。不安もとても大きいと思います。この記事の「初めて与える食材は慎重に」でご紹介した4点を実行して、少しずつ赤ちゃんに新しい食材をあげてみてくださいね。1度アレルギー症状が出ても、約9割が小学校入学までには治ると言われています。恐れずに取り組んで行ってくださいね。